【国連防災世界会議レポート】 パブリックフォーラム編

以下は、JCC2015共同事務局を務める「ピースボート災害ボランティアセンター」のブログからの転載です。

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第3回国連防災世界会議の大きな成果のひとつは、予想を大幅に上回る「市民参加」を達成したこと。10年前の第2回会議は、行政や防災関係者・研究者の集まりで、十分に市民参加を促せなかった反省点が指摘されていましたが、それを払拭した5日間だったと感じています。

「市民参加」には、前回レポートで取り上げたように、本体会議での発言や国際枠組の策定にきちんとNGO/CSOが参画する方法もあります。一方、一般参加者を増やすことも「市民参加」を促す取り組みです。

今日ご紹介するのは、なんと当初予想の4倍に当たる延べ15万6千人が参加した「パブリック・フォーラム(市民向けイベント)」について。

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パブリックフォーラム全体の主なプロデュースは、ホスト都市仙台市の職員らが事務局を担った「第3回国連防災世界会議仙台開催実行委員会」。全体コンセプトの設計、各イベント出展団体との連絡、宿泊やシャトルバスの運行、街中の装飾に至るまで、関係機関・企業とも協力しながら作り上げてきました。

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その中でも、特にこだわりを持って臨んだのが「市民協働と防災」「女性と防災」という二つのテーマ館でした。仙台市は、UNISDR(国連国際防災戦略事務局)が行う「世界防災キャンペーン『災害に強い都市の構築』(レジリエントシティ・キャンペーン)」でも、「市民力」が評価されて、ロールモデルシティ(模範都市)の認定を受けています。

それもあり、この二つのテーマ館は仙台開催実行委員会の直轄ではなく、仙台市と市民団体が合同で運営を担う体制でした。

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行政には行政の、市民団体には市民団体の強みやネットワークがあります。運営体制そのものに市民の力を活用しようとしたことが、「市民参加」につながったひとつの要因だろうと思います。

 

あまりに多数・多様なパブリックフォーラムが行われたので、すべて見て回ることはできませんでしたが、少し雰囲気を味わっていただけるよう、いくつかを写真でご紹介。

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普段から東日本大震災の映像記録などを記録・発信しているせんだいメディアテーク。期間中は、1階フロアが「東北・復興パビリオン」、5、6階フロアが「世界の防災展」として東北自治体や国内外の国際機関・企業・CSOの展示ブースが並びました。

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JCC2015でも展示ブースを出展。日本のCSOの取り組みを紹介したり、ブックレット『福島 10の教訓』などを配布したり。海外からの会議参加者もたくさん立ち寄ってくれました。

 

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実に400本以上の企画が同時並行で行われたセミナー・シンポジウム。市民ネットワーク「JCC2015」参加団体からも、たくさんのイベントが主催されました。こちらは、福島の7団体が共同で行った「原発事故から4年~福島の学びと地域づくりへの道」の様子。

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「女性と防災テーマ館」で行われていた震災の経験を伝える紙芝居。会議室内のセミナー・シンポジウムだけでなく、ロビーの一角にミニステージを作ってのリレートークやワークショップも人気企画でした。

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「市民協働と防災テーマ館」でも、仙台市市民活動サポートセンターの全フロアをテーマ館使用に。PBVでも「わが家の災害対応ワークショップ」を開催しました。

 

屋外展示「防災のひろば」「国際交流のひろば」が開催された勾当台公園。パフォーマンスやフードコートも大人気で、家族連れなど延べ5万人以上が来場しました。

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JCC2015が企画運営した中でも、最も気軽に、かつ国籍も多様な人に立ち寄っていただいたのは、多目的交流テント「ピープルズ・パビリオン」。片方のスペースをセミナーハウスとして持ち込みの会議やワークショップを実施、もう片方はシェアオフィスとして事務作業や打ち合わせ、ちょっとした休憩場所として活用していただきました。

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せっかくなので、「ピープルズ・パビリオン」の舞台裏をちょっとご紹介。

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お借りしたのは、使えるピースウィンズ・ジャパンさんの22m×11mのバルーンテント。

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夜間はセキュリティ上、また強風で飛んでしまわないように空気を抜いてしまうので、毎朝このテントを膨らませるところから1日が始まります。

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待ち時間を利用して、朝礼でボランティアのその日の動きを確認。

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PBVの石巻でのボランティア経験者にはお馴染みの「おらほのラジオ体操」。


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そうこうしている間に、テントは徐々に膨らんで・・・

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テントが立つと、中の机や椅子、事務用品、電子機器などを設置。

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テント内展では、石巻で活動を続ける鈴木省一さんの「いしのまきのあさ」写真展も

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朝8時の集合から1時間。これらの作業を終えるとオープン準備完成です。

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石巻からの萬代さん、いわき市から新妻さんによる東北震災語り部によるセッション。セミナーハウスでは、5日間で22本の企画が実施されました。

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ボランティアインフォセンダイ自由大学真如苑救援ボランティアSeRVの仙台メンバーの皆さんなども運営に協力しれました。道案内などの問い合わせも多かったので、やはり地元のボランティアの力は大切ですね。

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テント内の一角に設置した桜のメッセージボード。花びらには、「市民防災世界会議」などパブリックフォーラムに参加した市民れぞれの想いが書かれています。このメッセージは、「市民防災世界宣言」(次回ご紹介します)へと受け継がれました。

 

今日ご紹介したのは、これでも本当に全体のごく一部です。「ピープルズ・パビリオン」をはじめ、今回の防災世界会議パブリックフォーラムには、本当にたくさんの人が参加する結果になりました。そして、その実現のために、たくさんの市民団体が活躍し、たくさんのボランティアが協力してくれました。

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PBVは、特にJCC2015共同事務局の中でもパブリックフォーラム全体を盛り上げたいと、仙台側との連携・協働担当として活動してきました。その理由は「1人の専門家よりも100人の熱意ある素人にできることがある。だから、一人でも多くの市民に参加してほしい」という想いでした。被災地での活動で、ボランティアの力を借りて災害支援を行っているのも、これと同じ考え方なのかもしれません。

改めて「ひとの力」の可能性を感じた5日間でした。

ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました!

 

(市民防災世界会議編につづく) コチラ

【国連防災世界会議レポート】 本体会議編は コチラ

 

 

photo by Mitsutoshi Nakamura